
訪問施術
訪問はり灸マッサージ
・2年後に訪問はり灸マッサージを始めることについて(2025年8月)
保険適用による訪問はり灸マッサージを2年後の令和9年に始めます。
保険請求をするための資格を得るためには満たすべき条件があります。
その一つに実務経験があります。これは簡単に言いますと最低1年間どこかの鍼灸マッサージ院で勤める必要があるということです。
私は学校卒業と同時に開業したため、現時点でその要件を満たせておりません。
この実務経験の要件と最低限度の訪問施術の技術を身につけさせていただくため訪問マッサージの会社に勤める必要があります。
どの程度の期間勤めることになるかはわかりませんが、最低1年~2年程度になるでしょう。
こういった事情から治療院の営業日を週3日にさせていただきました。空けた日は訪問マッサージの会社に勤める日になります。
生活基盤としての新聞配達アルバイトも継続しながらとなりますので、ここから更にハードな日々に突入していきますが、まだ30代後半、もう2年は踏ん張りたいと思います。
体力的には常に限界な状態でもこうして頑張り続けられるのは、気力によるものしかないと思います。
家族、友人、会社の皆さん、町内(町内会)の皆さんが支えてくださっていることへの感謝の思い。
そして、自分が今挑戦している新しい鍼治療の仕組みづくりが、より多くの方が気軽に利用できて笑顔になれるものになることへの期待。
自分よりも大変な辛い思いをされている方達のことを思えば、自分の大変さなどなんてことはないですし、何か新しいことにチャレンジをするのに大変だからと自分を甘やかしていたら道を切り拓くことはできないと自分には言い聞かせています。
健康が損なわれたら大変なので、休養とのバランスをしっかり管理しつつ、これからのタフな日々を乗り越えていきたいと思います。
家族、友人の皆さまには体調面でのご心配をおかけし、また患者の皆さまにはご利用しづらくなる等のご迷惑、ご負担をおかけいたしているなかで大変恐縮ではございますが、今後ともご理解とご協力をお願いできましたらと存じます。
訪問マッサージ
余談にはなりますが、訪問はり灸マッサージを始めようと思うまでの経緯を、少し長くなってしまいますがここでお伝えさせていただきたく思います。
私は最初に訪問マッサージをしようと思い、専門学校に入学しました。
なぜ訪問マッサージをしようと思い至ったのか振り返ってみますと、
当時33歳、専門学校に入学を決意するまでは夢もずっと見つからないでいました。勤めてきたお仕事は内容に関わらず懸命に誠実に人一倍頑張ってきたつもりでいました。5年後、10年後の自分のために、今は夢が見つからないが、辛抱することが自分の土台作りだと信じていました。
高校生の頃くらいから人の役に立ちたいと漠然と思ってはいましたが、人の役に立つ方法がわからないでいました。自分の性質、何が良いところで、どのようなことでそれを生かすことができるのかがわからなかったからなのかなと今は思います。
懸命に働いてきた中で、働きぶりを見てくださって褒めてくださる方、会話をする中で褒めてくださる方等、本当に稀ですが、自分の良いところを褒めてくださる方がいてくださいました。それらの方々は、気づくことのなかった自分の良い特徴を教えてくださったのだと思えた時がありました。全く自分の知らない世界でも、その自分の特徴を生かせればお役に立てるかもしれないから恐れずにまずはやってみようと新しいことに挑戦する覚悟ができました。正直になると全く不安がなかったわけではありませんが・・・。なんとかその不安をちょっと乗り越える勇気を与えてくださったのは、その方々、その方々が自分の胸に残してくださった数少ない貴重な言葉だったのだと感じます。自分にとっては何よりの一生の宝物です。形もなく、目に見えないけれど大切なものをくださったのでした。
その言葉で印象深く残っているのが、23歳の時にヤマト運輸の早朝仕分けアルバイトをしていた時のことです。朝5時頃に長距離トラックドライバーの50歳くらいの方が荷物を届けてくださって荷台の大きな扉を開けている時に少し会話をした時だったと思いますが、「稀に見る好青年やで」と言ってくれたんですね。当時の自分には、自分が好青年だとも、好青年が世の中に稀だということもわかりませんでした。自分で言うのも憚られますが、年を経るに従って次第にその言葉の確かさを知ってきたように思います。本当に自分で言うの申し訳ないのですが。。最近になって当時50代のトラックドライバーの方がわざわざそのような事を、1度か2度会って少し話した程度のアルバイトだった私に伝えたくなる気持ちが、少しずつなんとなくわかってきたように思っています。そのような心境から、先日私も稀な好青年に出会った際にトラックドライバーの方が言ってくださったように自分の感じた素直な気持ちを伝えました。携帯ショップの販売定員さんで、少し驚いた様子と同時にかみしめる様にありがとうございますと感謝されましたが、気持ちの良い対応に感謝しているのは私の方でした。販売定員さんの輝く未来を願い、このような行いがトラックドライバーの方へのご恩返しになったらいいなとも思っています。
話を戻しますと、挑戦しようと決めたのが訪問マッサージの分野でした。世の中にはベッドから自力で起きあがることが困難な体調の方がいらっしゃることを知った時、自分には想像もつかない心境で生きていらっしゃる方達のお力に少しでももしなれるのなら、自分の生まれながらに与えられた特徴をより活かすことができ、仕事をすることの意義を見出せるかもしれないと感じたのでした。ですから、これらの方達の役に立たせていただくことは、同時に自分が助けられることになると直感しました。助けることは助かること、これは常に忘れてならない言葉だと心にとどめています。
専門学校に入り、マッサージと並行して、はり・灸についても学びました。はり・灸がマッサージだけでは改善が難しい症状や、肩こり、腰痛などに効果が高い場合があることを学んだため、患者さんの少しでも多くの症状に対応できるようにはり・灸もマッサージとともに使いこなせる三療師になりたいとの思いを強くしました。
そして2024年に専門学校を卒業後、当初の目的通りに最初から訪問はり灸マッサージを始めようかどうか考えた時、学校を卒業したばかりのため実際にはり・灸の効果がどの程度、どのように現れるのか、個人差はどうなのか等、わからないことばかりで、そのような状態のままで訪問はり灸マッサージから始めてしまったら、はり・灸を活用する機会は恐らく少ないため経験を積むどころか、はりを扱うことに自信を失くしていってしまうのではと考えました。
そこでまずは自宅で治療院を開き、一番身近で共に生き、お世話になっている町内の皆さまをはじめとする地域の方達のお役に立つことから始めようと決意しました。私にとって自宅治療院は、地域で今日まで生かされていることに対する皆さまへのご恩返しをさせていただける大変ありがたいことで、町内でやらせていただいていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
卒業間もなかったですが、国家資格を所持した以上はプロとして、全責任を負う覚悟して、自宅治療院を開院させていただきました。開院させていただいた翌日、自宅の周囲約60件に開院のご挨拶状を持って、ご在宅の方には直接ご挨拶したり、ご不在の方にはポストに投函したりいたしました。それ以降はほとんどの患者さんはご紹介を通じていらしてくださいました。プロでありながら、まだまだプロとは到底言えない状態の私を頼りにきてくださった皆さまのおかげで今の自分があります。
患者さん目線に立ち、負担の少ない格安ではり・きゅう・マッサージが受けられる治療院でありたい、気軽に通いやすい治療院でありたい、それが当たり前の世の中になっていくことを目指してまずは自分がそれを実践しようと決めたため現在の料金設定で始めました。料金が高くて治療を受けられない、受けたことがない方達の中で、自分が格安でやることで、その方達の辛い症状が少しでも和らいだら笑顔が増えて、地域の平和にも繋がると信じているのです。格安ですと患者さんが週5日、一日10人前後いらっしゃらないと生活していくには難しいのが現実です。ましてや開院したばかりの私の治療院ですから、それは承知の上で新聞配達のアルバイトと掛け持ちで自分の夢への挑戦を始め今に至っています。
治療院を始めて今年2025年5月で1年が経ちました。この1年間に来てくださった患者さん、そして今も継続してきてくださっている患者さん、皆さまから本当にたくさんのことを学ばせていただきました。この場をお借りして改めて深く感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。皆さまへの治療を通じて、治療技術の向上をはじめ、失敗や失態とその謝罪、その治療による体の反応、会話を通じての信頼関係の醸成、皆さまの人生や過去の出来事のお話、お話されることで心身ともに癒されること、数えきれないほど様々な大切なことを教えていただきました。皆さまから学ばせていただいたことが、次の患者さんへのよりよい治療と患者さんの笑顔に繋がります。時間を長くいただいて余計にマッサージをさせていただくこともしばしばですが、予定がない限り皆さま快諾してくださり感謝に耐えません。また、はり・きゅう・マッサージをしてきて思うのは、はりは筋肉を緩めて、痛みを和らげることに驚くほど効果がある。また、マッサージはその心地よさから満足感、つまり心の癒しにとても効果があるのではと感じています。マッサージは全身の緊張を和らげて血流を促すため、体の緊張と心の緊張は密接につながっていることを改めて教わりました。
以上のようにこれまで治療させていただいた皆さまから学ばせていただいたことを最大限に活かし、訪問はり灸マッサージを始めて当初の目的であったご自宅で辛い思いをされている方々のもとへ自ら足を運び、お役に立てるよう努めてまいりたいと思います。
訪問はり灸マッサージを始めるにあたって考えたことが医療保険を利用できる患者さんと、できない患者さんがいるということです。医師の同意が得られないけれども、ご自宅で辛い症状を抱えてらっしゃる方や、医療保険の枠組みの治療内容では症状がそこまで改善されない方もいるのではないかと考えました。ですから、医療保険適用外でも、相場よりも料金を抑えてそういった方々のお役に立てないかを考えています。移動距離に応じて料金を適当に変化させたらよいだろうかと考えまずは決めましたが、まだまだ試行錯誤の段階です。治療院と訪問はり灸マッサージをどちらも格安で提供できないか創意工夫して挑戦してまいります。料金体系や治療内容が今後も変化する可能性が高いですが、ご理解、また応援していただけたら大変ありがたく思います。
訪問はり灸マッサージを利用される患者さんは、麻痺や、体の関節の一部が固まってしまいやすいです。そのためその関節の柔軟性を保つマッサージの仕方等、技術、知識もこれからもっと学ばなければいけないことがたくさんあります。しっかりと安全で、一人一人の患者さんに合った治療ができるようになり安心し喜んでいただけるようになりたいと思います。また、患者さんはご自身で歩けない場合、ご家族の方、ケアマネージャー、かかりつけ医、などの皆さまにサポートされています。そのサポートの輪に自分が加わらせていただくことになりますので、その点でも失礼のないように心がけ、誠実に対応して信頼関係を築いてまいりたいと思います。